令和06年医科診療報酬点数表 / 第2章 特掲診療料 / 第3部 検査 / 第1節 検体検査料 / 第1款 検体検査実施料 / 区分 / (血液学的検査)

D006-19 がんゲノムプロファイリング検査

44,000点

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等
に届け出た保険医療機関において実施した場合に限り算定する。

2 抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として他の検査を実施した場合であっ
て、当該他の検査の結果により区分番号B011-5に掲げるがんゲノムプロファイリング評価提供料を算定する場合は、所定点数から当該他の検査の点数を減算する。

通知

(1) 固形腫瘍の腫瘍細胞又は血液を検体とし、100 以上のがん関連遺伝子の変異等を検出する
がんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシングを用いて、包括的なゲノムプロファイルの取得を行う場合に、検体提出時に患者1人につき1回(以下のイの場合については、血液を検体とする検査を含めて2回)に限り算定できる。ただし、血液を検体とする場合については、以下に掲げる場合にのみ算定できる。

ア 医学的な理由により、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体としてがんゲノムプロファイリング
検査を行うことが困難な場合。この際、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

イ 固形腫瘍の腫瘍細胞を検体として実施したがんゲノムプロファイリング検査において、
包括的なゲノムプロファイルの結果を得られなかった場合。この際、その旨を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(2) 標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了とな
った固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、当該検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合に限り算定できる。

(3) がんゲノムプロファイルの解析により得られる遺伝子のシークエンスデータ(FAST
Q又はBAM)、解析データ(VCF、XML又はYAML)及び臨床情報等を、患者の同意に基づき、保険医療機関又は検査会社等からがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に提出すること。この際、当該データの提出及び二次利用について、患者に対して書面を用いて説明し、同意の有無について診療録及び管理簿等に記載すること。なお、これらの手続きに当たっては、個人情報の保護に係る諸法令を遵守すること。

(4) C-CATへのデータ提出又はデータの二次利用に係る同意が得られない場合であって
も、当該検査を実施し、算定することができる。その際には同意が得られなかった旨を診療録及び管理簿に記載すること。

(5) 医療関係団体が定める「インフォームド・コンセント手順書」を遵守し、患者からの同
意取得について適切な手続きを確保すること。

(6) 「注2」に係る規定は、固形腫瘍の腫瘍細胞又は血液を検体とし、100 以上のがん関連遺
伝子の変異等を検出するがんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシングを用いて、次に掲げる抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とした検査を実施した際に併せて取得している包括的なゲノムプロファイルの結果を、標準治療後(終了が見込まれる場合も含む。)にエキスパートパネルで検討を行った上で、治療方針等について文書を用いて患者に説明することにより、「B011-5」に掲げるがんゲノムプロファイリング評価提供料を算定する場合に適用する。なお、この場合には(2)から(5)までを満たすこと。この際、診療報酬明細書の摘要欄に、包括的なゲノムプロファイルの結果を併せて取得した検査の実施日を記載すること。

ア 肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査、
RAS遺伝子検査、HER2遺伝子検査

イ 大腸癌におけるRAS遺伝子検査、HER2遺伝子検査、BRAF遺伝子検査

ウ 乳癌におけるHER2遺伝子検査

エ 固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査

オ 肺癌におけるMETex14 遺伝子検査

カ 悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査

キ 固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査、腫瘍遺伝子変異量検査

ク 胆道癌におけるFGFR2融合遺伝子検査

ケ 卵巣癌又は前立腺癌におけるBRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子検査

(7) 造血器腫瘍又は類縁疾患ゲノムプロファイリング検査は、造血器腫瘍の腫
瘍細胞、血液、骨髄液又は体腔液を検体とし、100 以上のがん関連遺伝子の変異等を検出するゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシングを用いて、包括的なゲノムプロファイルの取得を行う場合に、本区分のがんゲノムプロファイリング検査を準用して算定する。なお、この場合には(3)から(5)までを満たすこと。また、本検査は下記のいずれかに該当する場合、検体提出時に造血器腫瘍又は類縁疾患の同一疾患につき1回のみ算定できる。下記のうち、イ、エ、オに該当するものについては、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ア 初発時に算定できるもの

① 急性骨髄性白血病

② 急性リンパ性白血病

③ 骨髄異形成症候群

④ 骨髄増殖性腫瘍及びその類縁腫瘍

⑤ 組織球及び樹状細胞腫瘍

イ 従来の方法による検索が行えない又は他の造血器腫瘍又は類縁疾患と鑑
別が困難な場合において、初発時に算定できるもの

① アグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫

② インドレントB細胞非ホジキンリンパ腫

③ T細胞非ホジキンリンパ腫

④ NK細胞非ホジキンリンパ腫

⑤ 多発性骨髄腫

ウ 再発又は難治時に算定できるもの

① 急性骨髄性白血病

エ 従来の方法による検索が行えない又は他の造血器腫瘍又は類縁疾患と鑑
別が困難な場合において、再発又は難治時に算定できるもの

① フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

② インドレントB細胞非ホジキンリンパ腫

③ T細胞非ホジキンリンパ腫

④ NK細胞非ホジキンリンパ腫

⑤ 慢性リンパ性白血病

オ 病期を問わず算定できるもの(既存の検査及び病理診断等で確定診断に
至らず、治療方針の決定が困難な場合に限る。)

① 原因不明の著しい血球減少