1 診療録管理体制加算1に関する施設基準
(1) 診療記録(過去5年間の診療録及び過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・
管理されていること。
(2) 中央病歴管理室が設置されており、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガ
イドライン」(以下単に「安全管理ガイドライン」という。)に準拠した体制であること。
(3) 診療録管理部門又は診療記録管理委員会が設置されていること。
(4) 診療記録の保管・管理のための規程が明文化されていること。
(5) 年間の退院患者数 2,000 名ごとに1名以上の専任の常勤診療記録管理者が配置されており、
うち1名以上が専従であること。なお、診療記録管理者は、診療情報の管理、入院患者についての疾病統計(ICD10 による疾病分類等)を行うものであり、診療報酬の請求事務(DPCのコーディングに係る業務を除く。)、窓口の受付業務、医療機関の経営・運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助及び物品運搬業務等については診療記録管理者の業務としない。なお、当該専従の診療記録管理者は医師事務作業補助体制加算に係る医師事務作業補助者を兼ねることはできない。
(6) 入院患者についての疾病統計には、ICD(国際疾病分類)上の規定に基づき、4桁又は
5桁の細分類項目に沿って疾病分類がなされていること。
(7) 以下に掲げる項目を全て含む電子的な一覧表を有し、保管・管理された診療記録が、任意
の条件及びコードに基づいて速やかに検索・抽出できること。なお、当該データベースについては、各退院患者の退院時要約が作成された後、速やかに更新されていること。また、当該一覧表及び診療記録に係る患者の個人情報の取扱いについては、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月 14 日(個人情報保護委員会、厚生労働省))「以下「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」という。」に基づく管理が実施されていること。
ア 退院患者の氏名、生年月日、年齢、性別、住所(郵便番号を含む。)
イ 入院日、退院日
ウ 担当医、担当診療科
エ ICD(国際疾病分類)コードによって分類された疾患名
オ 手術コード(医科点数表の区分番号)によって分類された当該入院中に実施された手術
(8) 全診療科において退院時要約が全患者について作成されていること。また、前月に退院し
た患者のうち、退院日の翌日から起算して14日以内に退院時要約が作成されて中央病歴管理室に提出された者の割合が毎月9割以上であること。なお、退院時要約については、全患者について退院後30 日以内に作成されていることが望ましい。
(9) 患者に対し診療情報の提供が現に行われていること。なお、この場合、「診療情報の提供
等に関する指針の策定について」(平成 15 年9月 12 日医政発第 0912001 号)を参考にすること。
(10) 許可病床数が 200 床以上の保険医療機関については、「安全管理ガイドライン」に基づき、
専任の医療情報システム安全管理責任者を配置すること。また、当該責任者は、職員を対象として、少なくとも年1回程度、定期的に必要な情報セキュリティに関する研修を行っていること。ただし、令和6年3月31日において、現に当該加算に係る届出を行っている保険医療機関(許可病床数が200床以上 400 床未満のものに限る。)については、令和7年5月31日までの間、当該基準を満たしているものとみなす。
(11) 非常時に備えた医療情報システムのバックアップを複数の方式で確保し、その一部はネッ
トワークから切り離したオフラインで保管していること。また、例えば、日次でバックアップを行う場合、数世代(少なくとも3世代)確保する等の対策を行うこと。なお、ネットワークから切り離したオフラインで保管していることについては、医療情報システム・サービス事業者との契約書等に記載されているか確認し、当該契約書等の記載部分についても届出の添付資料とすること。
(12) 「安全管理ガイドライン」に基づき、非常時を想定した医療情報システムの利用が困難な
場合の対応や復旧に至るまでの対応についての業務継続計画(以下単に「BCP」という。)を策定し、医療情報システム安全管理責任者の主導の下、少なくとも年1回程度、定期的に当該BCPに基づく訓練・演習を実施すること。また、その結果を踏まえ、必要に応じて改善に向けた対応を行っていること。訓練・演習については、診療を中断して実施する必要はないが、より実効性のあるものとするために、必要に応じてシステム関連事業者も参加した上で行うこと。なお、当該BCPには「安全管理ガイドライン」の経営管理編「情報セキュリティインシデントへの対策と対応」、企画管理編「非常時(災害、サイバー攻撃、システム障害)対応とBCP策定」等に記載している事項について含める必要がある。また、作成に当たっては関係団体等が作成したマニュアル(医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト)についても参考にすること。
2 診療録管理体制加算2に関する施設基準
1の(1)から(10)までを満たしていること。
3 診療録管理体制加算3に関する施設基準
(1) 1の(1)から(4)まで、(9)及び(10)を満たしていること。
(2) 1名以上の専任の診療記録管理者が配置されていること。
(3) 入院患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされていること。
(4) 保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できること。
(5) 全診療科において退院時要約が全患者について作成されていること。
4 届出に関する事項
(1) 診療録管理体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式17 を用いること。
(2) 毎年8月において、標準規格の導入に係る取組状況や医療情報システムのバックアップ体
制の確保状況等について、別添7の様式17 の2により届け出ること。
(3) 診療録管理体制加算1の届出を行う場合については、第4の1(11)に示す「当該契約書等
の記載部分」について添付すること。