令和08年施設基準(通知) / 〇特掲診療料の施設基準等 / 別添1 特掲診療料の施設基準等

第107 入院ベースアップ評価料

1 入院ベースアップ評価料の施設基準

(1) 医科点数表又は歯科点数表第1章第2部第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、同部第3節の特定入院料又は同部第4節の短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く。)を算定している保険医療機関であること。

(2) 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)又は歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出を行っており、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出を行っていない保険医療機関であること。

(3) 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み(ただし、当該評価料の注5又は注7に定める点数を算定する場合は、それぞれ1から3まで又は注6に定める点数を算定したものとする。)を合算した数に10円を乗じた額が、賃金改善算定基礎額未満であること。

(4) 入院ベースアップ評価料の保険医療機関ごとの区分については、当該保険医療機関における賃金改善算定基礎額、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み並びに延べ入院患者数の見込みを用いて次の式により算出した数【C】に基づき、別表5に従い該当する区分を届け出ること。
賃金改善算定基礎額-(外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び
歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み)× 10 円
【C】=
当該保険医療機関の延べ入院患者数× 10 円

(5) (3)及び(4)について、賃金改善算定基礎額の算出に用いる対象職員(医師及び歯科医師を除く。)の月額賃金総額は、2の(1)の届出を行う月の直近1月の総額(ただし、届出を行う月の前月に既に当該年度の賃金改善が開始されている場合は、当該賃金改善を開始する前月の総額)を用いること。ただし、月額賃金とは、基本給又は決まって毎月支払われる手当(以下「基本給等」という。)及び時間外手当等の月ごとに変動して支払われる手当の合計をいい、賞与、期末・勤勉手当等特定の時期にのみ支払われる手当を含まない。なお、「月額賃金」には、「令和7年度医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業」によって交付される補助金による部分は、含めないものとする。「常勤及び週22 時間以上勤務する非常勤の医師及び歯科医師の数」は、2の(1)の届出を行う月の直近3月の期間の各月1日時点における1月あたりの平均の数値を用いること。「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み」は、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1の第2章第 14 部第1節「O001」外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の(2)から(5)及び「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添2の第2章第 15部第1節「P001」歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の(2)から(5)までに掲げる基本診療料等の算定回数を用いて計算し、2の(1)の届出を行う月の直近3月の期間の1月あたりの平均の数値を用いること。「延べ入院患者数」は、2の(1)の届出を行う月の直近3月の期間の1月あたりの延べ入院患者数の平均の数値を用いること。また、届け出た時点と比較して、対象職員の数又は「延べ入院患者数」に1割以上の変動があった場合であって、改めて区分を算出した場合に区分の変動がある場合には、算出を行った月内に地方厚生(支)局長に届出を行った上で、翌月から変更後の区分に基づく点数を算定すること。

(6) 当該評価料により得られる収入は、対象職員の基本給等の引上げ(以下「ベア等」という。)及びそれに伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いること。なお、恒常的に夜間を含む交代制勤務をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当については、決まって毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない。ただし、ベア等を行った保険医療機関において、患者数等の変動等により当該評価料による収入が上記の増加分に用いた額を上回り、追加でベア等を行うことが困難な場合に限り、賞与等の手当など、ベア等以外の方法による賃金改善を行うことが認められる。いずれの場合においても、賃金の改善の対象とする項目を特定して行うこと。なお、当該評価料によって賃金の改善を実施する項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く。)の水準を低下させてはならない。また、賃金改善の実績については、当該保険医療機関における「令和8年3月又は5月時点の給与体系(令和8年5月までにベースアップ評価料等を届け出ていた保険医療機関にあっては、令和8年度診療報酬改定前のベースアップ評価料等による賃金改善後であって令和8年度診療報酬改定によるベースアップ評価料等による賃金改善前の体系に限る。)を、当該評価料を算定した年度に勤務している職員の賃金に当てはめた場合の基本給等総額」と、「当該評価料を算定した年度に勤務している職員の基本給等総額」との差分により判断すること。なお、賃金改善の実績については、ベースアップ評価料及び看護職員処遇改善評価料について共通のものであること。ただし、「令和8年3月又は5月時点の給与体系(令和8年5月までにベースアップ評価料等を届け出ていた保険医療機関にあっては、令和8年度診療報酬改定前のベースアップ評価料等による賃金改善後であって令和8年度診療報酬改定によるベースアップ評価料等による賃金改善前の体系に限る。)を、当該評価料を算定した年度に勤務している職員の賃金に当てはめた場合の基本給等総額」、「当該評価料を算定した年度に勤務している職員の基本給等総額」及び賃金改善の実績には、「令和7年度医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業」によって交付される補助金による部分は含めないものとする。また、6月から翌年5月の1年間に算定した当該評価料による収入を、当該年の4月から翌年3月の給与改善に充当することは差し支えない。

(7) 常勤換算2名以上の対象職員が勤務していること。ただし、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関にあっては、この限りでない。

(8) 当該保険医療機関において、以下に掲げる社会保険診療等に係る収入金額(以下、「社会保険診療等収入金額」という。)の合計額が、総収入の 100 分の80 を超えること。

ア 社会保険診療(租税特別措置法(昭和32 年法律第 26 号)第26 条第2項に規定する社会保険診療をいう。以下同じ。)に係る収入金額(労働者災害補償保険法(昭和 22年法律第50号)に係る患者の診療報酬(当該診療報酬が社会保険診療報酬と同一の基準によっている場合又は当該診療報酬が少額(全収入金額のおおむね 100 分の10 以下の場合をいう。)の場合に限る。)及び保険外併用療養費(健康保険法第 86 条に規定する保険外併用療養費をいう。)を支給された場合に当該療養に関して患者から支払われる料金を含む。)

イ 健康増進法(平成14 年法律第 103 号)第6条各号に掲げる健康増進事業実施者が行う同法第四条に規定する健康増進事業(健康診査に係るものに限る。以下同じ。)に係る収入金額(当該収入金額が社会保険診療報酬と同一の基準により計算されている場合に限る。)

ウ 予防接種(予防接種法(昭和 23 年法律第68 号)第3条第6項に規定する定期の予防接種等その他医療法施行規則第 30条の35 の3第2項第2号ロの規定に基づき厚生労働大臣が定める予防接種(平成 29年厚生労働省告示第314号)に規定する予防接種をいう。)に係る収入金額

エ 助産(社会保険診療及び健康増進事業に係るものを除く。)に係る収入金額(1の分娩に係る助産に係る収入金額が 50万円を超えるときは、50 万円を限度とする。)

オ 介護保険法の規定による保険給付に係る収入金額(租税特別措置法第26 条第2項第4号に掲げるサービスに係る収入金額を除く。)

カ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第6条に規定する介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、地域相談支援給付費、特例地域相談支援給付費、計画相談支援給付費、特例計画相談支援給付費及び基準該当療養介護医療費並びに同法第77条及び第 78条に規定する地域生活支援事業に係る収入金額

キ 児童福祉法第21 条の5の2に規定する障害児通所給付費及び特例障害児通所給付費、同法第 24 条の2に規定する障害児入所給付費、同法第 24 条の7に規定する特定入所障害児食費等給付費並びに同法第 24 条の25 に規定する障害児相談支援給付費及び特例障害児相談支援給付費に係る収入金額

ク 国、地方公共団体及び保険者等が交付する補助金等に係る収入金額

(9) 当該保険医療機関は、当該評価料の趣旨を踏まえ、労働基準法等を遵守すること。

(10) 当該保険医療機関は、対象職員に対して、賃金改善を実施する方法等について、2の(1)の届出に合わせて周知するとともに、就業規則等の内容についても周知すること。また、対象職員から当該評価料に係る賃金改善に関する照会を受けた場合には、当該対象者についての賃金改善の内容について、書面を用いて説明すること等により分かりやすく回答すること。

(11) 過年度において当該評価料を算定している場合、前年度及び当年度に提出が必要な賃金改善実績報告書を適切に提出していること。

2 届出に関する事項

(1) 入院ベースアップ評価料の施設基準に係る届出は、別添2の様式97 を用いること。なお、令和8年度及び令和9年度においてベースアップ評価料の点数構造の変更に伴い、評価区分を見直す必要があるため、新規届出時及び毎年6月1日時点において当該評価料を算定できるよう、地方厚生(支)局長に届け出ること。

(2) 毎年8月において、前年度における賃金改善の取組状況を評価するため、「賃金改善実績報告書」を別添2の様式 100の別添1により作成し、地方厚生(支)局長に報告すること。また、毎年8月において、算定を行っている年度における賃金改善の取組状況を当該保険医療機関において適切に把握するため、「賃金改善中間報告書」を別添2の様式 100の別添1により作成し、地方厚生(支)局長に報告すること。

(3) 事業の継続を図るため、対象職員の賃金水準(看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による賃金改善分を除く。)を引き下げた上で、賃金改善を行う場合には、当該保険医療機関の収支状況、賃金水準の引下げの内容等について記載した「特別事情届出書」を、別添2の様式94 により作成し、届け出ること。なお、年度を超えて対象職員の賃金を引き下げることとなった場合は、次年度に(2)の「賃金改善中間報告書」を提出する際に、「特別事情届出書」を再度届け出る必要があること。

(4) 保険医療機関は、入院ベースアップ評価料の算定に係る書類(「賃金改善中間報告書」等の記載内容の根拠となる資料等)を、当該評価料を算定する年度の終了後3年間保管すること。

(5) 法人内の同一の給与体系に基づく複数の保険医療機関において、保険医療機関の「月額賃金総額」及び「対象職員数」を通算して届出を行う場合には、別添2の様式 97の作成に当たって別添2の様式99を、「賃金改善実績報告書」及び「賃金改善中間報告書」を複数の保険医療機関を集約して作成する場合には、別添2の様式 100 の別添1の代わりに、別添2の様式 100 の別添2を用いることとする。