令和04年医科診療報酬点数表 / 第2章 特掲診療料 / 第3部 検査 / 第1節 検体検査料 / 第1款 検体検査実施料 / 区分 / (尿・糞便等検査)

D004 穿刺液・採取液検査

1 ヒューナー検査 20点

2 関節液検査 50点

3 胃液又は十二指腸液一般検査 55点

4 髄液一般検査 62点

5 精液一般検査 70点

6 頸管粘液一般検査 75点

7 顆粒球エラスターゼ定性(子宮頸管粘液)、IgE定性(涙液) 100点

8 顆粒球エラスターゼ(子宮頸管粘液) 119点

9 マイクロバブルテスト 200点

10 IgGインデックス 402点

11 オリゴクローナルバンド 522点

12 ミエリン塩基性蛋白(MBP)(髄液) 570点

13 タウ蛋白(髄液) 622点

14 リン酸化タウ蛋白(髄液) 641点

15 髄液蛋白免疫学的検査 区分番号D015に掲げる血漿蛋白免疫学的検査の
例により算定した点数

16 髄液塗抹染色標本検査 区分番号D017に掲げる排泄物、滲出物又は分泌物
の細菌顕微鏡検査の例により算定した点数

17 その他 検査の種類の別により区分番号D007に掲げる血液化学検査、区分
番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の例により算定した点数

注 区分番号D007に掲げる血液化学検査、区分番号D008に掲げる内分泌学
的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の所定点数を準用した場合は、当該区分の注についても同様に準用するものとする。

通知

(1) 「2」の関節液検査については、関節水腫を有する患者であって、結晶性関節炎が疑わ
れる者に対して実施した場合、一連につき1回に限り算定する。なお、当該検査と区分番号「D017」排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(2) 「3」の胃液又は十二指腸液一般検査の所定点数には、量、色調、混濁、粘液量、臭気、
酸度測定、ペプシン及び乳酸定量、ラブ酵素の証明、蛋白質の呈色反応(ニンヒドリン反応、ビウレット反応等)、毒物、潜血、虫卵、ウロビリン体の定性定量、コレステリン体の定量、液に含まれる物質の定性半定量の検査等の費用が含まれる。

(3) 「4」の髄液一般検査の所定点数には、外見、比重、ノンネアペルト、パンディ、ワイ
ヒブロート等のグロブリン反応、トリプトファン反応、細胞数、細胞の種類判定及び蛋白、グルコース、ビリルビン、ケトン体等の定性半定量の検査等が含まれる。

(4) 「5」の精液一般検査の所定点数には、精液の量、顕微鏡による精子の数、奇形の有無、
運動能等の検査の全ての費用が含まれる。

(5) 「6」の頸管粘液一般検査の所定点数には、量、粘稠度、色調、塗抹乾燥標本による顕
微鏡検査(結晶、細菌、血球、腟上皮細胞等)等の費用が含まれる。

(6) 「7」の顆粒球エラスターゼ定性(子宮頸管粘液)は、フロースルー免疫測定法(赤色
ラテックス着色法)により、絨毛羊膜炎の診断のために妊娠満22週以上満37週未満の妊婦で切迫早産の疑いがある者に対して測定した場合に算定する。

(7) 「7」のIgE定性(涙液)は、アレルギー性結膜炎の診断の補助を目的として判定し
た場合に月1回に限り算定できる。

(8) 「8」の顆粒球エラスターゼ(子宮頸管粘液)は、絨毛羊膜炎の診断のために妊娠満 22
週以上満37週未満の妊婦で切迫早産の疑いがある者に対して行った場合に算定する。

(9) 「9」のマイクロバブルテストは妊娠中の患者又は新生児の患者に対して週に1回に限
り算定できる。

(10) 「10」のIgGインデックス、「11」のオリゴクローナルバンド及び「12」のミエリン
塩基性蛋白(MBP)(髄液)は、多発性硬化症の診断の目的で行った場合に算定する。

(11) 「13」のタウ蛋白(髄液)は、クロイツフェルト・ヤコブ病の診断を目的に、患者1人
につき1回に限り算定する。

(12) 「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、患者1人につき1回に
限り算定する。

(13) アミロイドβ42/40 比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換え)
製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断する目的にアミロイドβ病理を示唆する所見を確認するため、CLEIA法により、脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42及びβ-アミロイド1-40を同時に測定した場合、本区分「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)2回分の所定点数を準用して患者1人につき1回に限り算定する。ただし、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与中止後に初回投与から 18 か月を超えて再開する場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、本区分「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)と併せて行った場合は主たるもののみ算定し、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断するに当たり実施した、区分番号「E101-2」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影又は区分番号「E101-4」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影については別に算定できない。

(14) アミロイドβ42/40 比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換
え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、次のいずれにも該当する医師が常勤で複数名配置されている場合に算定する。

ア 認知症疾患に関する専門の知識並びに 10 年以上の軽度認知障害の診断及び認知症
疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験を有する常勤の医師であること。

イ アミロイド関連画像異常の有無を判断した上で、臨床症状の有無と併せてレカネマブ
(遺伝子組換え)製剤の投与継続、中断又は中止を判断し、必要な対応が可能な医師であること。

ウ 関連学会等が実施する磁気共鳴コンピューター断層撮影によるアミロイド関連画
像異常の読影、アルツハイマー病の病態及び診断並びにレカネマブ(遺伝子組換え)製剤投与対象患者及びレカネマブ(遺伝子組換え)製剤による治療に関する研修を修了していること。

(15) アミロイドβ42/40 比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換
え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、次のいずれにも該当する医療機関で行われた場合に算定する。

ア 認知症疾患医療センター又は認知症疾患医療センターと連携している施設であること。

イ レカネマブ(遺伝子組換え)製剤を投与する患者について、初回投与時及び初回投
与後に、当該患者の背景情報の把握並びに安全性及び有効性を評価するための調査を確実に実施できる施設であること。

(16) アミロイドβ42/40 比(髄液)は、(14)及び(15)のいずれにも該当する医療機
関と連携している施設で行われた場合であっても算定できる。

(17) 同一日に尿、穿刺液・採取液及び血液を検体として生化学的検査(Ⅰ)又は生化学
的検査(Ⅱ)に掲げる検査項目につきそれぞれを実施した場合の、多項目包括規定の適用については、尿、穿刺液・採取液及び血液のそれぞれについて算出した項目数により所定点数を算定するのではなく、血液、尿、穿刺液・採取液それぞれに係る項目数を合算した項目数により、所定点数を算定する。ただし、同一日に行う2回目以降の血液採取による検体を用いた検査項目については、当該項目数に合算せず、所定点数を別途算定する。